2017年3月30日木曜日

危険な「ICT活用実験」

「札幌市『顔認証』実験断念」という
新聞記事の見出し(3月23日北海道新聞)に
誤解をする人もいるかと思います。

議会での札幌市の答弁は、
「顔認証実験はやらないけれど、
人感センサーやビーコンを使っての実験はやる」
というのが主旨です。
 

この「地下空間におけるICT活用実証実験事業」予算2900万円)は、
札幌駅地下歩行空間にセンサーやカメラを設置して、
通行する人々の年代、性別、体型、
行動の様子、好みなどの情報をとらえ
「ビッグデータ」に活用するものです。
そのカメラ設置のみやめたにすぎません。

市は、「防災に役立つ、ビジネスに活用され企業支援になる」
などの説明をしていますが、
プライバシーにかかわる事業を
行政が積極的に導入するなど、
姿勢そのものが間違っています。
 「ICT活用」は国家戦略です。
国庫支出金をつけて自治体にどんどん活用させようという
ICT関連企業優遇政策に、札幌市が乗っかっているのです。
顔認証のカメラ設置はやめても
通行者からの情報を得ようとすることには変わりなく、
市民の不安は解消されていません。

党市議団は、プライバシー保護を侵害する可能性が強く、
行政がやるべきことではない、と
質疑の中で中止を求めたところです。